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なぜ「頂上を踏まない登山」がこれほど面白いのか?気軽に"歩く"を楽しむ「フラット登山」のススメ

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フラット登山 
美しい自然に触れながら楽しむ「フラット登山」の魅力とは?(写真:kapinon/PIXTA)

INDEX

登山の目的は、急な登り坂を我慢して登り、ひたすら山頂を目指すことだけではない。無理に山頂を目指さなくても、日本の豊かな森林や美しい山道をただ気持ち良く歩くだけで、誰もが登山の本質を味わうことができる――。
かつて本格的な山登りに没頭した経験を持つ作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏が、厳しい登山の概念から離れ、散歩でもない、ロングトレイルでもない、「フラット登山」という新しい旅の形を提案します。
※本稿は『フラット登山 日本を歩く旅60』から一部抜粋・再構成したものです。

フラット登山とは

登山には、つらいイメージがあった。急な登りの山道を、ゼイゼイヒイヒイと心臓をバクバクさせながら歩き、山頂を目指す。そういう厳しい行為こそが、登山なのだと言われてきた。そこで弱音を吐こうものなら、ベテラン登山者から「体力がないね」「運動不足だね」とあざけり笑われたりしてきた。

しかし、そういうつらさが登山の目的になってしまっているのは、あまりにも変である。ブラック労働がまんえんした平成時代に「労働はブラックなのが当たり前なのだ!」と強要する者たちがいたが、あれと同じマインドである。

登山の目的は、つらい思いをすることではない。美しい自然の光景に圧倒され、静かな湖面を渡っていく風のささやきに感動し、大きな森で木漏れ日の美しさに惚れる。そうやって大自然に没入し、向き合うことこそが、だれもが楽しめる登山の本質なのだ。

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