有料会員登録
政治・経済・投資

「補助金で得をした!」と喜ぶ人が知らない"意外な損失" 経済学が暴く「ムダ」を生み出す残念な政策のカラクリ

5分で読める
経済 損得 この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学
政策によって生じる「見えない損得」の仕組みとは?(写真:f1.8studio/PIXTA)
  • 加藤 真也 名城大学経済学部教授、博士(経済学)、内閣府経済社会総合研究所・客員主任研究官

INDEX

「安くなってありがたい」「助かる」――政府が打ち出すガソリン補助金や価格支援策に対して、そう感じる人は多いかもしれない。しかし経済学の視点で見ると、一見ありがたく思える補助金や規制であっても、実は市場を歪め、「誰も得をしない無駄」を生み出していることが多い。YouTubeチャンネル「はじめよう経済学」でも人気の加藤真也教授が、政策によって生じる「見えない損得」の仕組みを解説する。
※本稿は『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』から一部抜粋・再構成したものです。

余剰分析で市場の効率性を評価する

完全競争市場では、需要曲線と供給曲線が交わる均衡点で社会的余剰が最大になることが知られている。これは、政策評価を行うときの基準になる重要な結論である。

直感的には、均衡点では「その財を高く評価している消費者」と「低い費用で作れる生産者」が、ちょうど取引できているからである。

消費者側では支払意思額が高い人から順に買い、生産者側では限界費用が低い人から順に作る。価格が自由に調整されるとこのような取引が自然に実現しやすい。

では、政策により価格が均衡価格より低く固定されたらどうなるだろうか。

例えば政府が「ラーメンは1杯500円以下で売らなければならない」と決めたと考えてみよう。これは「価格上限規制」であり、余剰分析を使った政策評価の最初の例になる。

次の図(図8-10)では、価格が500円に固定されたことで取引量が減り、均衡なら実現していた余剰の一部が「死荷重」として示されている。

(画像:『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』P.153)
2/3 PAGES
3/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数