「これからどうしたらいいのか、今の状態はどうなのか。当事者やったけど客観的に見ている自分がいました」
自分の置かれている状況がおかしいことは、わかっていた。それでも、「日本に帰るほどのことでもない」とポジティブに考えた。
妊娠、そして激化する言動
渡米して1年が経ったころ、夫の就職が決まり、家族として健康保険に加入できるようになった。関係もいったん落ち着き「生活を立て直せる」と思った矢先、妊娠が発覚する。
3カ月後、夫婦は初めて自分たちだけのアパートに引っ越した。だがつわりの体には、あらゆる匂いがきつく感じられた。
「全部が臭くて、げえげえ吐いてました。何も食べられへんくて、立つのも寝るのも何もできへんってなってしまって……」
それでも夫は、帰宅して食事の準備ができていないと、暴れた。壁に穴を開け、家中のものを壊し、「こっちは12時間働いてきてるんだ」と怒り狂った。
妊娠中、まゆこさんは弟の結婚式のため、一度だけ日本に帰国している。これ以降、いまだに日本へは帰れていない。留守の間、夫は「家のことをしてくれる人がいない」と困っていたという。


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