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極右台頭のヨーロッパが抱える真の危機―単なる「反移民」を超えた「欧州らしさ」の空洞化と歴史観の再構築

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「ドイツのための選択肢(AfD)」の党旗とドイツ国旗。州議会選挙で圧勝した(写真:2026 Bloomberg Finance LP)
  • 安部 雅延 国際ジャーナリスト(フランス在住)

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ドイツは戦後、ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺を2度と繰り返さないために、ナチズムの復活と、自由民主主義的基本秩序を破壊しようとする組織・活動を禁じた。2000年以降も、アメリカで誕生したネオナチに起源を持つハンマースキンズという人種至上主義組織が非合法化され、23年には連邦行政裁判所が活動禁止判決を下した(25年に判決取り消し)。

戦後初、ドイツ州議会選選挙で極右政党が第1党に

「ドイツのための選択肢」(AfD)は、26年9月に行われた東部ザクセン・アンハルト州の州議会選挙で、得票率43.8%を獲得し、極右政党ながら戦後初となる州議会の第1党に躍り出た。ドイツ初の極右州首相が誕生する可能性もある。

ドイツのメルツ首相は選挙結果に強い衝撃を受けたと述べ、フランスやイギリス、イタリアなど欧州連合(EU)加盟国にも衝撃が走った。

ヨーロッパにはヒトラー率いるナチスドイツの悪夢という歴史的記憶がある。今回の選挙で4割を超えるドイツ有権者がAfDに投票したことで、他の欧州諸国には悪夢の再来と懸念する声もある。

フランスも極右の流れにある国民連合(RN)のマリーヌ・ルペンが、最新の世論調査で27年春の大統領選挙の第1回投票で、他の候補者を圧倒する34~36%の得票率となるという予想がされている。

イタリアのジョルジャ・メローニ首相率いる政党「イタリアの同胞」(FdI)は、第2次世界大戦後のネオファシズムの流れを汲む極右に分類されていたが、政権就任後は現実的かつ安定した保守路線を維持している。

一方で、連立の一角をなす「同盟」から26年2月に離脱した陸軍の元将官ロベルト・バンナッチEU議会議員(57)が設立した極右色の強い「国民の未来」が新勢力として勢いを増している。

EUを離脱したイギリスでは、右派ポピュリズム政党「リフォームUK」を率いるナイジェル・ファラージ党首がイギリスが禁じる外国からの政治献金スキャンダルで失速中だ。とはいえ、勢いづくフランスのRNのジョルダン・バルデラ党首と9月4日に英仏海峡を小型ボートで渡る不法移民を根絶する覚書に署名し、移民排斥の積極姿勢を示し、勝ち馬に乗ろうという動きを強めている。

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