そこからも結構変わった経歴で、証券会社に転籍し、当社システム部部長としてJ-SOX(金融商品取引法に基づく内部統制報告制度)対応チームの立ち上げと責任者、その後、システム企画部長、リスク管理部長、監査部長、顧客管理部長を務めました。そしてGMOクリック証券に転職し、情報システム部長として情報セキュリティ全般を担当したほか、コンプライアンス部長も務めました。
この頃、ちょうど日本の金融機関がサイバーセキュリティに関する情報を共有、分析し、業界全体の安全性を高めるための連携組織である金融ISAC(アイザック)が設立されました。GMOクリック証券も初期から参画することになり、私はスキルアップワーキンググループで副座長を務めました。その頃から、金融業界のサイバーセキュリティ対策に深く関わるようになりました。
そしてGMOインターネットグループでネット銀行を立ち上げるという話が持ち上がり、GMOあおぞらネット銀行の立ち上げから参加。システムの責任者を務め、途中から役員となり現在に至ります。
CIOとCISOを兼務するメリット
――幅広い経験をお持ちですが、現在のサイバーセキュリティ環境をどう見ていますか。
フロンティアAI(最先端の汎用AI)の登場で、世界はかなり変わったと思います。ただ、セキュリティの基本原則まで変わったわけではありません。大きいのは、攻撃の「門戸」が広がったことです。高度な知識がなくても、誰でも攻撃できるようになり、攻撃のスピードも上がりました。
――御社のセキュリティ体制の特徴は?
銀行として、ポリシーやルールを厳しく設けています。事業開始時は社員に「ガチガチすぎるんじゃないか」と文句を言われたぐらい、厳格な運用をしてきました。また、経営陣がサイバーセキュリティに強い関心を持っているのも大きな特徴です。
2026年7月からは毎週1時間、経営トップから役員、システムやお客さま対応部門など多岐にわたる関係者が集まってサイバーセキュリティだけを議題にするミーティングも始めています。
ネット銀行である以上、テクノロジーを切り離すことはできません。当行は「No.1テクノロジーバンクを目指して」というビジョンを掲げており、上層部も「自分はITがわからないから」と避けるわけにはいきません。わからなければ自ら勉強する、というのが当社では当たり前になっています。


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