失敗は交渉という領域の一部だ。だから失敗に慣れ、それに対して効果的な取り組み方をさぐり、そこから学びを得れば、さらに成長し、有能な交渉者となれるのだ。
交渉の最中は多くの要素がからみあって複雑に動いているため、失敗の原因など特定できるのかと疑問に思うかもしれない。とはいえ、大きな挫折を経験した交渉を振り返ってみれば、主因は特定できる。
むろん、二次的な原因や、事態を悪化させた他の要因を明らかにすることも必要だ。そうした要因は問題の本質ではないものの、明らかにすれば対処の難易度を下げられる。これらのことを心に留めて、失敗を分類し、その重要性をさぐっていこう。
失敗の7つのタイプとは
私の経験に基づくと、交渉の失敗には7つのタイプがあるようだ。完璧ではないかもしれないが、分析の目安にはなるだろう。以下のリストを見て、あなたが経験した失敗はどのタイプのものなのかを考えてほしい。
タイプ2 掴み損なって失敗
タイプ3 何を考えていたかわからない失敗
タイプ4 安物買いの銭失い失敗
タイプ5 悪い合意の失敗
タイプ6 感情的に無知な失敗
タイプ7 テーブルの下の失敗
ここでは、タイプ1の「とにかくやってみて失敗」を紹介しよう。
このタイプの失敗がいちばん問題が少ない。失敗する可能性は高いと覚悟したうえで挑戦すれば、失敗したとしてもその経験から学びを得られる大きなチャンスがある。
可能性の限界まで追求しようとしているとき、あるいは、きわめて難しい問題に直面して突破口をさがしているときに発生しやすい失敗である。
たとえば、社会に大きな影響をおよぼしそうな革新的な新製品の開発について社内で交渉するときなどによく目にするのが、このタイプの失敗だ。スティーブ・ジョブズとiPhoneのエピソードはこの好例だろう。


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