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ビジネス #アパグループ ホテル覇権の盤面

「アパホテル」のアパグループ2代目トップが明かす「カリスマ創業者亡き後」の組織の束ね方

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アパグループの元谷一志社長兼CEO
アパグループの元谷一志社長兼CEOは1971年生まれ。2022年4月から社長兼CEOを務める(撮影:梅谷秀司)
日本最大級のホテルチェーンを展開するアパグループ。創業者である会長の元谷外志雄氏が今年2月に82歳で死去し、同社は大きな転換点を迎えている。長男の元谷一志社長兼CEOに組織論を中心に聞いた。

――2022年4月の社長兼CEO就任から4年が経ちました。25年11月期の直近業績をどう評価していますか。

グループ連結売上高は前期比18%増の2667億円、経常利益は25.1%増の996億円となり、3期連続で過去最高の売り上げと利益を更新した。大阪・関西万博が牽引したのは否めないが、(25年の)訪日客が4260万人を突破したことなどを背景に、堅調に推移した結果だ。

中期5カ年計画「AIM5」で設定した、27年11月期に売上高2000億円、経常利益450億円、27年3月末のアパホテルネットワーク客室数15万室という目標について、すべての指標を前倒しで達成できた。

今年4月から新中期5カ年計画「AIM5-Ⅱ」を発動し、30年11月期の目標として売上高3500億円、経常利益1000億円という数字を掲げた。25年11月期は瞬間最大風速的に経常利益が996億円に達したが、正味の実力では800億円程度とみている。これから5カ年でファンダメンタルを整え、5年後には最高益を達成したい。

アパホテルネットワークの客室数は、国内自社ブランド10万室、海外1万室、提携ホテル7万5000室へと伸長させることで、18万5000室体制に持っていきたい。前倒しで達成して20万室まで近づけられればうれしいが、これは何とも言えないところだ。

柔軟性と甘受を持って対応した

――今年2月に創業者である元谷外志雄会長が亡くなりました。

会長が亡くなる1週間ほど前、「お前の代になってどうして伸びたんだ」と言われた。この4年のうち、直近3カ年では過去最高売り上げを更新し、過去最高益だった。確固たる信念の下で50期連続黒字という金字塔を打ち立てているのは、会長のほうだが。

私は「柔軟性と甘受を持って対応した結果だと思う」と話した。時代が変わっていく中でどこまで柔軟性を持って対応し、自分自身が変化できるか。任せた以上は甘受を持って対応し、結果が出なかった場合は基本的に任せた自分が悪いということだ。

「社長の器以上に会社は大きくならない」と私は言ってきた。例えば、10~20店舗を展開されているFCオーナーがいる。遠隔地を含めて多店舗で展開することは、視野の広さと器の大きさだと私は思う。震災などが発生する可能性を考慮すると、1カ所で展開することにはリスクしかない。多店舗展開をしているFCオーナーの考えも同じだろう。

――CEOとしてどのように経営をしていますか?

私自身のCEO像は固定観念に縛られるものではない。今までの勝ちパターンが、次は負けパターンになることもあれば、その逆もありうる。

「右向け右」というような創業者のカリスマがあった時代とは異なり、私は2代目でカリスマ性もまったくない。そこで、最大公約数的に借りているのが「サッカーの力」だ。世界で35億人超といわれる数のファンを抱えるうえ、あれほど「日本」を連呼して、君が代を歌う競技はない。従業員の皆さんには「稼いだ収益がサッカー日本代表の強化資金になっている」との話をしている。

私が生きている間には、あと10回ぐらいしかワールドカップを見られないだろう。できればワールドカップで優勝してほしいし、皆さんと同じ夢を追いたい。そのために「皆さんで一枚岩になって力を貸してくださいというスタンス」だ。

これは令和の組織の束ね方でもあると考えている。私自身のカリスマ性というよりも、サッカー日本代表のカリスマで持っているような感じだ(笑)。

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