2027年3月期からサステナビリティ情報の開示基準(SSBJ基準)に基づき、時価総額3兆円以上の企業を対象に有価証券報告書での開示が段階的に義務化される。時価総額に応じて対象企業は順次拡大し、気候変動や人的資本などの非財務情報の開示・透明化が求められる時代が到来している。すべての企業関係者が知っておきたいサステナビリティ法定開示の実務対応の基本についてご紹介する。
第3回は、SSBJ基準による法定制度化で算定基盤の再構築が必要となるGHG(Greenhouse gases:温室効果ガス)排出量について解説する。
【配信予定】
④温室効果ガスでもう1つの義務制度・GX-ETSには要注意(10月1日)
⑤開示からサステナビリティ経営の高度化につなげる(10月2日)
法定制度化での気候関連開示への期待値
SSBJ(Sustainability Standards Board of Japan:サステナビリティ基準委員会)基準に基づき非財務情報の法定開示が求められる企業の中には、これまでサステナビリティレポートやESGデータ集を通じて、GHG排出量やTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく任意の気候関連開示を積極的に行ってきた企業も少なくない。
そうした企業にとって、法定開示への移行といっても「従来の開示に若干の情報を追加すれば対応可能」と捉えているケースがあるかもしれない。確かにSSBJが求める4つのコアコンテンツはTCFD提言の4つの中核要素に基づいており、GHG排出量について第三者保証を受けている企業も少なくない。
しかし、SSBJの開示要求を具体的に見ていくと、「従来の延長で対応可能」という捉え方では十分とは言えない側面が浮かび上がってくる。
ここで、SSBJに基づく気候関連開示を主要な3つの論点「TCFDベースの開示」「GHG排出量算定」「第三者保証」から見ていきたい。これらは非財務情報の任意開示をこれまで行ってきた企業にはなじみがあり、法定制度になってもこれらの開示や保証への対応はすでに一通り実施し、実務上の課題は特にないと考える企業も少なくないであろう。
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