この違いは、ベンチマークの最高値だけでは捉えにくい。PCを長時間使ったときに速度が落ちないか、ファンがどれだけ回るのか、キーボード付近がどれだけ熱くなるのか。日常的な使い勝手に表れるのは、こうした部分だからだ。
「片手で開ける」も設計の積み重ね
スペック表に表れない設計上の工夫は、AIとは直接関係しないところにもある。
例えば、ノートパソコンのディスプレーを片手で開ける「ワンハンドオープン」だ。
ThinkPadではヒンジのトルクを細かく調整し、ディスプレーを開くときに本体を押さえなくても済むようにしている。26年モデルでは、ヒンジ内部の機構をさらに見直している。
一見すると小さな機能だが、実際の使い勝手にはこうした設計が効いてくる。
スペック表に「片手で開けられる」と書かれているだけでは、その差がどこから生まれるのかはわからない。ヒンジの強度、ディスプレーの重量、筐体の剛性などを組み合わせて、ようやく実現できる機能だからだ。
同じことは耐久性にもいえる。
同研究所では、PCを本などと一緒にバッグへ入れて持ち歩く状況を再現した加圧振動試験や、ディスプレーを開いた状態で片手で端を持つ場面を想定した試験などを行っている。こうした試験の背景には、実際の利用者から寄せられた故障事例がある。
消費者がこうした試験そのものを見る機会はない。しかし、長く使うほど、落下や振動、ヒンジの開閉といった日常的な負荷に耐えられるかどうかが製品の価値を左右する。


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