内部の設計変更は、冷却だけにとどまらない。
ノートパソコンにはWi-Fiや5Gのアンテナ、スピーカー、カメラ、マイクなども収められている。それぞれに必要なスペースがあり、熱や電波、音などを通じて互いに影響する。
Wi-Fiアンテナやウェブカメラにも細かい進化
例えば最新のX1 Carbonでは、Wi-Fiアンテナをファンの排気口付近に配置している。冷却のために空気を外へ出したい場所と、無線通信に必要なアンテナが近接するため、実際の筐体で電波を測定しながら設計する必要がある。
2-in-1モデルでは、ヒンジ部分にアンテナを配置するとともに、アンテナ自体を約50%小型化した。これによって、背面ファンの排気口を大きくする余地を確保している。
消費者がアンテナの大きさを意識することはほぼないだろう。しかし、通信が安定しているかどうかは、オンライン会議やクラウドサービスを利用するときの快適さを左右する。
カメラやマイクも同じだ。画質は人物模型などを使って、さまざまな肌の色を考慮して調整している。「AI PC」では、AIチャットだけでなく、映像や音声をリアルタイムに処理する機能も増えている。
ノートPCのウェブカメラというと、どうも画質が期待できない印象だが、ThinkPadはスマートフォンに匹敵する画質を実現しているという。
「500万画素」と書かれているカメラでも、暗い場所での映像や逆光への強さ、広い範囲をどのように映せるかまでは、その数字だけではわからない。
PCの価値は、こうした目立たない部分の積み重ねによっても決まっている。


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