先延ばしは「怠け」ではない
やりたいことは見えている気がするのに、なぜか手が動かない。完璧な準備が整ってからやろうと思って、いつも先延ばしにしてしまう。そんな状態に思い当たるとしても、それはあなたに才能がないからではありません。たいていは、もう才能の入り口に立っているのに、ある「思考と行動のクセ」が扉を見えなくしているだけなのです。
最新の研究では、才能発見を遠ざける思考・行動のいちばん深い根っこが「先延ばし」だということが分かっています。カルガリー大学のスティールは、691本もの相関データをまとめあげた、世界でも最大級のメタ分析を行いました。
そこから見えてきたのは、大学生のおよそ8〜9割5分が日常的に先延ばしを経験していて、全体の半数は、ずっと続く困った水準でこのクセを抱えている(ちなみに成人一般では、慢性的な先延ばしを抱える人は15〜20%と見積もられています)という、裾野の広がりです。
そして、先延ばしを強く生む要因は、課題そのものへの嫌悪感、ごほうびや締め切りが先にあること(報酬までの遠さ)、自己効力感の低さ、衝動性、そして誠実性の弱さという5つでした。先延ばしは怠けではなく、自分をうまく動かす技術、つまり自己制御の問題なのだと、691本のデータが教えてくれています。
もしかすると「自分にも当てはまるかも」と感じているかもしれません。でも、当てはまるほうがむしろふつうだと思ってください。問題は性格そのものではなく、才能を覆い隠すさまざまなパターンを「自分のクセ」としてちゃんと見える形にできているかどうか、そこにあります。見える形にさえできれば、あとは1つずつ手放していけます。


※ログイン後、コメント入力が可能です。