いっぽうで、「もっと良くしたい」「高い基準でやり遂げたい」という前向きな面、いわゆる完璧主義的努力は、先延ばしと逆の関係を示しました。つまり、高い基準を自分に課して努力するタイプの人ほど、先延ばしは少ない傾向にあるということです。
同じ「完璧主義」という言葉でひとくくりにされていても、中身はずいぶん違います。不安を燃料にする完璧主義は手を止めさせ、自分の理想を燃料にする完璧主義は手を動かしてくれます。完璧主義は1つの性格ではなく、まったく別の2つの動きを内側に抱えているのです。
この数字を分かりやすく言いかえると、こうなります。完璧主義的懸念が強い人は、失敗したときの恥ずかしさや、評価が下がる場面を思いうかべる力がとても強いのです。だから、まだ仕上がっていない自分を世の中に出すことが、頭の中では我慢できないほどの痛みに感じられます。
その痛みを避けるいちばんてっとり早い方法が、行動の開始を「もう少しだけ」と先に延ばすことなのです。これを何度もくり返すうちに、何年も「準備中」のまま、時間だけが過ぎていきます。
良い完璧主義のみを使うには…?
才能を見つける場面で必要なのは、失敗を防ぐための完璧主義ではなく、行動を前に進めるための完璧主義です。たとえば「最初の原稿は雑でいい、あとの手直しで仕上げよう」「人に見せる前提で7割の出来で出そう」と先に決めてしまうのです。
シロワらの数字を見るかぎり、悩み続ける時間が長くなるほど、才能を世の中に出す通り道がだんだん閉じていくようです。


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