――その後、資生堂でCITOを務め、ERPのグローバルな統合やデジタルマーケティングの強化を行った後、今年1月に東宝に入社されました。
前職が任期満了を迎えるタイミングでご紹介をいただき、私は映画やドラマ、アニメなどいろいろなものを見るので、これは面白そうだなと。
「東宝は『TOHO VISION 2032』を掲げ、創立100周年に向けて次のステージに移行しようとする過渡期にあり、やるべきことが多々ある。これまでITセキュリティの専任役員を置いたことがないが、今後はそれをやっていかないとまずいとの危機感を持っている」――松岡宏泰社長、太古伸幸副社長からそうした趣旨のお話をうかがい、自身の経験が生かせるならと入社しました。
松岡社長と太古副社長が、コーポレート本部の一部門だった情報システム部をより機動的に動けるよう、独立させて社長直下のIT推進本部とするという判断をしてくださり、私はIT推進本部長として入社しました。そして入社後半年ほど経った6月に開催されたIT戦略会議で、今後2年間のITセキュリティのガバナンス強化戦略について提案し、経営陣のOKをもらって現在、積極的に取り組んでいる状況です。
課題は「グループ会社のセキュリティ強化」
――どのような課題認識に基づき提案を行いましたか。
まず入社して最初に思ったのは、IT人材の人的リソースに制限がある一方で、少ない人数のなかでやるべきことはしっかりやっているということ。そして、大きな課題としてすぐ認識したのは、東宝には海外を含めてグループ会社・関連会社が約60社あるのですが、本体とグループ会社の間でITセキュリティのガバナンスに大きなギャップがあることでした。
入社後の半年で確認したところ、グループ全体のIT投資のほぼ9割が東宝本体とTOHOシネマズ、TOHO Globalの3社で使われていました。残りのグループ会社にはそれほど使われておらず、必要なところに必要な投資がし切れていませんでしたので、これを強化しなければいけないと提案しました。
また、グループ会社は大小さまざまで、ITセキュリティの専任人材がいないところもあります。これは多くの日本企業が抱えている課題でもありますが、人材がいないのでセキュリティのケアができていない。そうした人材が足りないグループ会社に対し、ITとセキュリティのシェアードサービスを提供するスキームをグループ内でつくりたいと提案しています。


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