2014年に、初めて日本の会社に入社しました。大規模な情報漏洩事故を起こした直後のベネッセです。外部有識者を交えた情報セキュリティ委員会に参画し、対策に当たるとともに、その一環としてセキュリティ企業のラックと合弁会社をつくり、その立ち上げと初代社長を務めました。
――インシデント直後にIT担当者として入社するのは、鉄火場に飛び込むようなものに感じますが、辞退しようとは思わなかったのですか。
思わなかったですね。外資系での仕事が長く、いずれ日本企業に行きたい気持ちがあり、教育・介護という日本の社会課題に取り組んでいる歴史ある企業が必要とするのであれば、という気持ちでした。実は、面接が進む中でインシデントが公表され、当初よりセキュリティのミッションが大きくなりましたが、ITとセキュリティはセットで見たほうが対応しやすいので、両方できるならとお引き受けしました。
「入社から1年くらいはほぼ記憶がない」
――それでも、大変だったのではないでしょうか。
入社から1年くらいはほぼ記憶がありません。原因を追究して対策を打ち、継続的に問題がないようPDCAを回すサイクルをつくり、かつ合弁会社の立ち上げも重なったため、本当に忙しかったです。
お客様からすれば大切なお子様を含むご家族の情報が外部に流出したので、しっかり対策していることを示す必要もありました。海外の空港で見かける、電磁波を使ったボディスキャナーをご存じでしょうか。あれを日本で最初に導入したのはベネッセだと思います。個人情報にアクセスできる専用の部屋と特殊な端末をつくり、入室時はボディスキャナーでチェックする。メモ1枚も持ち出させない仕組みをつくりました。


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