「今日は楽しかったね」「次はいつ会える?」。
その夜返信がないと翌朝、「もしかして、疲れて寝ちゃった?」と追いLINEが来る。
えりの相談室からきた交際終了の連絡には、理由がこう書かれていた。「距離の詰め方が早く、どんどん恋人のように接しくるので、そこに違和感があったようです」。
その断りの理由をたくやに告げるとき、筆者はあわせて「相手が心を開く前に距離を縮めようとすると、親しさではなく、圧迫感を与えてしまいますよ」と添えた。
ところが、彼は聞く耳を持たず不満そうに言った。
「相談所にいる女性って、これまで僕が付き合ってきた女性たちとは、種類が違うのかな。ま、恋愛はマニュアル通りにはいかないということですかね」
たくやはその後もお見合いは通過するものの、交際に入ると断られることが続いている。
お断りの理由は、「自慢話が多い」「女性慣れしていて信用できない」「上から評価されているように感じる」というものだった。それでも彼は、「いつかは自分に合う女性が出てくる」と言い、自分の振る舞いを変えようとはしなかった。
「恋愛経験豊富」の落とし穴
恋愛経験が豊富なこと自体が、婚活の妨げになるわけではない。問題は、過去の成功体験を正解だと思い込み、目の前の相手の反応を見なくなることだ。どれほど会話が上手でも、女性をほめることに慣れていても、相手の表情や戸惑いに気づけなければ、婚活では選ばれない。
過去の恋愛経験は、相手を理解するために生かせば強みになる。しかし、「自分のやり方は正しい」と証明するために使えば、結婚への足かせになる。
婚活で問われるのは、これまで何人と付き合ったかではない。相手の言葉や反応を真摯に受け止め、周りからの助言にも耳を傾け、自分の言動を柔軟に変えられるかどうかだ。
過去の成功体験より、目の前の1人と丁寧に関係を育てる力が、成婚を引き寄せるカギとなる。


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