有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス #今見るべきネット配信番組

ディズニー「アメリカの超豪華イベント」で見えた"次なる戦略" 過去の大型買収で手にした「巨大IP群」をどう生かす?

8分で読める
ディズニー
アメリカで「D23: 究極のディズニーファンイベント」を取材しました(写真:Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney)
2/3 PAGES

そんな華やかな顔ぶれの中で、今回のD23にはもう一人の主役がいました。2026年3月、ボブ・アイガーの後任としてウォルト・ディズニー・カンパニーのCEO(最高経営責任者)に就任したジョシュ・ダマーロです。1998年にディズニーへ入社し、パークでキャリアをスタートしたダマーロが、巨大な企業全体を率いる立場になりました。

D23のステージに登壇した、ウォルト・ディズニー・カンパニーCEOのジョシュ・ダマーロ(写真:Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney)

初日の夜、ホンダ・センターで開かれた「ディズニー・エンターテイメント・ショーケース」のステージに登場したダマーロは、自信たっぷりに語りはじめました。

「今この瞬間、約50万人の方々が私たちのパークやクルーズ船で時間を過ごしています。さらに何百万人もの方々が、映画館や自宅で私たちの物語を楽しみ、ブロードウェイでは『ライオン・キング』を初めて観ている人もいるでしょう」

なかでも強調したのが、世界で40億人を超えるファンとの「つながり」でした。

巨大IPの大型買収を繰り返してきた

ただ、「全部持っている」ことは、本当に強みになるのでしょうか。ディズニーは100年の歴史の中で事業領域を広げてきましたが、とりわけボブ・アイガー時代には大型買収を繰り返してきました。

06年のピクサー、09年のマーベル、12年のルーカスフィルム、そして19年には21世紀フォックスの主要エンターテインメント資産を手に入れました。フォックスの買収に至っては約713億ドル(約10兆円)をも費やしています。今年ヒットした映画『プラダを着た悪魔2』も、もともとはフォックスが手がけた作品の続編です。

つまり、現在のディズニーは、自ら生み出したIPだけで成長してきた企業ではないのです。世界で支持されるIPを次々と傘下に収めることで、現在の巨大な事業基盤を築いてきた側面があります。

皮肉なのは、かつて大型買収を繰り返したディズニーを追うように、いまや競合各社もIPの獲得を急いでいることです。Netflixは21年に『チャーリーとチョコレート工場』などの版権を持つロアルド・ダール・ストーリー・カンパニーを手に入れ、Amazonも85億ドルを投じて、『007』『ロッキー』などのMGMが長年蓄積してきた映画・テレビIPを獲得しています。

そんな業界の状況について、ダマーロはD23の期間中に行われたリーダーシップパネルで大胆な言い方をしました。

「現在のエンターテインメント業界を見渡すと、まるで皆がディズニーのようになろうとしているかのようです。『あれもこれも買ってみよう』という具合に。でも、私たちにはそのすべてがすでに備わっているのです」

3/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数