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政治・経済・投資 #西野智彦の金融秘録

問題の核心は農林系統にあり、総量規制の抜け穴に資金流入…住専に深入りした理由とは 住専アリ地獄④

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宮澤喜一首相と三重野康日銀総裁
宮澤喜一首相(左)と三重野康日銀総裁(右)(写真:東洋経済写真部)

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1992年秋。住宅金融専門会社(住専)の最大手、日本住宅金融(日住金)の第1次再建案が固まった。株価が100円を割り込み、資金繰り破綻もささやかれる中、大蔵省銀行局はなりふり構わぬ行政指導を行い、関係金融機関に金利減免をのませた。

ただ、この案でも翌年2月には再び資金繰り危機に直面するのが確実だったため、母体・準母体銀行9行は追加的な「第2次再建計画」を作るよう銀行局に求められる。住専という時限爆弾は新たな段階に向けて動き始めていた。

業務純益の何と23倍 住専に深入りした理由

過去の金融政策・経済政策の検証に取り組む筆者が、当時の政策決定プロセスや当局者たちの人間模様に迫る。【月曜日更新】

「これはつまり、破綻する可能性があるという意味かね」

渋い表情で問いかけた銀行局長の寺村信行に、住専を所管する金融会社室の担当者は押し黙ったままだった。

寺村の元には、92年9月末時点の住専7社向け融資の一覧表が届けられていた。過去3年の平均業務純益と比較して、それぞれの融資残高が何倍程度あるのかが一目でわかるペーパーだった。

例えば、都銀の融資残高は平均業務純益の0.83倍、地銀は0.98倍。多少の損失は収益力で吸収できる計算だった。ところが──。

「農林系統 23.47倍、日本長期信用 7.09倍、日本債券信用 9.19倍」

「安田信託 16.20倍、東洋信託 11.33倍、中央信託 16.33倍、日本信託 18.00倍」──

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