2026年9月1日、アップルは大きな節目を迎えた。ティム・クックCEOからジョン・ターナス新CEOへの15年ぶりのトップ交代である。ハードウェアエンジニアリングを長年統括してきたターナス氏がトップに就いたことは、アップルが「ものづくり」を通じて世界を変えようとしていることの意思表示でもあった。
今回のトップ交代は、アップルの歴史において極めて特異だ。騒動もなければハプニングもない、計画的なバトンタッチだった。
振り返れば、1980年代から90年代にかけてのアップルのトップ交代は、常にハプニングと権力闘争の連続であった。1985年、自ら招き入れたジョン・スカリーとの対立によってスティーブ・ジョブズが会社を追放された劇的な事件はあまりにも有名だ。その後も、マイケル・スピンドラー、ギル・アメリオとトップが次々に交代したが、業績悪化を食い止めることはできず、倒産の危機に瀕する迷走期が続いた。
97年のジョブズの奇跡的な復帰劇も、ある種のクーデターのような劇薬だった。そして前回、2011年のクックへの交代は、ジョブズの病状悪化と約1カ月後の死という悲劇を伴う緊急登板であった。
そうした嵐のような歴史を持つアップルにおいて、長きにわたるクック安定政権から、次代のビジョンを体現するターナスへと平穏無事に権限が移譲されたことは、アップルという企業が完全に成熟し、永続的な組織として次のフェーズに入ったことを象徴している。
その船出を飾るように直前に発表されたのが、一新された「Mac mini」と「Mac Studio」だ。Macが大きく進化したのだ。
机の上に置ける「AIデータセンター」
注目すべきは、その小さな筐体に秘められた途方もない力だ。
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