箱根では十数年前から、宿泊施設を中心に"犬インフラ"と呼べる土台が少しずつ形になってきた。その充実ぶりから、"犬旅の聖地"とも呼称される。
小田急リゾーツが手掛けた箱根ハイランドホテル(26年8月現在 大規模改修工事のため休業中)は、14年に「ドッグフレンドリールーム」を導入し、「箱根で愛犬と泊まれるホテル」を打ち出した存在だ。
約10年の運用で、床材や設備、清掃方法などを犬連れ滞在に合わせて磨き上げ、現場のノウハウを蓄積した。
"ペット同伴可"から"ドッグフレンドリー型"へ
仙石原や強羅でも小規模ペンションやコテージを中心に犬同伴の宿が増え、人の温泉旅行に犬も連れて行けるという"ペット同伴可"の段階での受け皿が広がった。
その後は一歩進み、「RETONA HAKONE」のように、犬と過ごすことを前提に空間や動線を設計する"ドッグフレンドリー型"へと進化してきた。
複数の犬や大型犬を連れている場合の選択肢は限られ、主要駅から観光地までの交通や屋内施設、ルールやマナーの周知など、地域として磨くべき問題も残る。
しかし、こうした宿の変化は、「箱根なら犬連れでも気兼ねなく過ごせる」という実感を広げ、犬が主役になれる旅への期待を高めている。
施設ごとの個別の取り組みをエリア全体の戦略として束ねようとしているのが、鉄道4社による鉄道横断型社会実装コンソーシアム「JTOS(ジェイトス)」と、愛犬との外出支援アプリ「Wan!Pass」を運営するペッツオーライだ。
JTOSはJR東日本スタートアップ、東急、小田急電鉄、西武ホールディングスで構成され、鉄道事業者だけでは解決しにくい社会問題を、スタートアップとの共創で実証・実装していくことを目的に23年に発足した。


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