防衛省が、これまで自前のシステムで管理してきた機密性の高い情報を、民間のクラウドで運用する方針を固めました。時事通信の報道によると、2027年度予算に移行準備の経費を計上し、衛星や無人機から集まる膨大なデータを横断的に分析して、民間の最新AIを取り込みやすくする狙いがあるといいます。
「機密をクラウドに置いて大丈夫なのか」と身構えた方は少なくないはずです。筆者も一瞬、同じ引っかかりを覚えましたが、本質を紐解いてみると正しく恐れるべき部分と、思い込みでしかない部分が交ざっていることが見えてきます。
今回はその抵抗感を分解し、何を恐れ、何は恐れなくていいのかを整理します。防衛省と聞くと民間企業からは遠い話のように思えますが、判断の組み立て方は自社の情報をどこに預けるかを決めるときにも、そのまま使えます。
「自前なら安全」は本当か
抵抗感の出どころは、「手元にあるものは自分たちで守れている」という感覚です。自前の建物の中にサーバーがあり、外部の誰も触れないという状態を安全の基準に置いているため、外に出すと聞いた瞬間に危険だと感じてしまうのではないでしょうか。
ただ、閉じた環境なら安心とも限りません。
防衛省が2024年7月に公表した「特定秘密に係る点検結果及び今後の再発防止策について」では、資格のない隊員に特定秘密を扱わせていたことなどが漏洩に当たると認定されました。結果、113人が特定秘密保護法違反で処分に至りました。


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