外部への流出は確認されていませんが、外とつながっていない環境でも、誰にどこまで触らせるかの運用が緩んでしまうと、機密は漏れ得るということです。
これは防衛省のような特殊な組織だけの話ではなく、どの組織でも起こりうる事例です。守れるかどうかを分けるのは情報を保存する場所ではありません。情報に対して誰にどこまでの権限を与えるかを、きちんと管理できているかどうかにかかっています。
恐れるべきは「置き場所」ではなく「支配権」
防衛省は、「安全性と主権性を確保」することを前提にしていますが、クラウド移行にはどのようなリスクが想定されるでしょうか。
同省が求める性能のクラウドは現状、アメリカの巨大IT企業に実質的に限られているとみられ、アメリカ産のクラウドが候補として検討されています。
外国企業の基盤を使うとなれば、日本がどこまで管理・統制できるかが大きな課題です。ここでの統制とは、データの「鍵(暗号を解いて中身を読むための鍵)」と権限を最終的にどちらが握るか、いわば情報の「支配権」のことです。
その支配権がどちらに傾くかを大きく左右するのが法律の管轄。アメリカには CLOUD Act(クラウド法)があり、データの保管場所にかかわらず、管理する親会社や事業者がアメリカの司法管轄下であれば、開示命令の対象になり得ます。


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