立ち入り禁止フェンスをたどって、この物体を正面から見てみよう。
正面もかなりのインパクト。つるつるした黒いすべり台のような斜面が、青空を反射させ輝いていた。実はこの場所、すでに2024年から解体工事が進んでいる。解体される前は以下のようなビジュアルだったそうだ。
なんと尖った建築だったんだ……! 昨年、何度も大阪万博に足を運び、博覧会だからこそとも言える、各国の挑戦的なパビリオンをいくつも見てきた筆者は、一瞬で「万博っぽい!」と思ってしまった。
「都市博」の目玉だったはずが…休館のまま解体へ
何を隠そう、こちらは前編で紹介した幻の博覧会、「世界都市博覧会」(以下、都市博)の目玉となるはずだった施設だ。その名を「共同溝展示館(K-MUSEUM)」という。特徴的すぎるメタリックなビジュアルは、「ガンダム建築」とファンのあいだで親しまれてきたのだとか。
共同溝展示館はもともと1996年の都市博に向けて建築された施設だった。バブル崩壊のあおりを受け、都市博は途中で頓挫してしまったものの、共同溝展示館自体は翌年の97年に開館している。しかし、都市博中止が暗い影を落としたか、来訪者数は伸び悩み、2001年には無期限の休館に。たった4年しか開館されることのなかった「ほぼ幻」の施設となってしまった。
ちなみに、そもそも「共同溝」とは、電線、上下水道、ガス、電話線などの生活インフラをまとめて収容している地下設備のこと。言われてみれば、お台場には電柱や電線を見かけたことがない。
こうした共同溝によるインフラの地下化も、お台場らしい開放的な景観を支えていたというわけか。そう考えると俄然興味が湧いてくる。昨今の「万博」や「展示会」ブームを体感しているからこそ、「あのとき都市博が開催されていれば」「もしこの建築物が昨年の大阪万博パビリオンだったら」と、盛況していた可能性を考えずにはいられない。


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