8月7日、貸付料の議論にも無関係ではない進展があった。国交省は四国新幹線と東九州新幹線を対象に輸送需要やルート案などを検討し、ケーススタディを行う事業者の公募を開始したのだ。
四国新幹線と東九州新幹線は奥羽・羽越新幹線、山陰新幹線などと並び、整備計画路線の予備軍に当たる基本計画路線。ケーススタディを踏まえ、国が本格的にルートや費用対効果を調査し、その結果として整備計画路線に格上げされれば、現在建設中および未着工区間に続く次の整備新幹線として着工される可能性がある。
四国新幹線、整備財源「切り札」は貸付料?
北海道、本州、九州には新幹線があるのに、四国だけ新幹線が走っていない。四国の政財界を中心に構成される「四国新幹線整備促進期成会」は8月25日に東京都内で大規模な大会を開催し、国や自民党に四国への新幹線導入を要望した。整備計画に格上げされれば、その整備財源が必要となる。そのための財源として期成会は貸付料の徴収期間の延長や算定方法の適正化などの見直しを求めている。
期成会は「四国創生の切り札」として新幹線に期待しているが、整備財源の「切り札」は貸付料なのだろうか。各地の悲願に応えるための建設費を、企業の経営努力で生み出した利益から吸い上げ続けるならば、それは制度の骨抜きであり、形を変えた「第2の国鉄」への道ではないか――。「第2の国鉄を作らない」という30年前の固い誓いが、いま試されている。

