「身体を痛めた場合は包装や検品などの作業に回ってもらい、十分な療養期間を設けるようにもしていますね。それから、外部講師によるコンディショニング講座も開催して、手首や背中のケアの仕方、姿勢の整え方などを教えてもらっています」(師範 清瀧さん)
効果的な体の使い方を学ぶために、社内でもトレーナーとして指導できる人材の育成にも取り組んでいる。将来的には、職人同士で体の使い方を教え合う体制を整えるつもりだ。
「女性職人」ではなく、一人の「職人」として
春華堂では清野さんと築き上げたノウハウを応用し、女性職人の後進育成にも力を入れている。それが実を結び、2026年7月には2代目の女性うなぎパイ職人が誕生した。大角美玖(おおすみ みく)さんだ。
「職人は体の負担も大きくて、メンタル的にもきつく感じる時もあります。でも、清野さんがいてくれるから安心感があるんです」(大角さん)
現在19歳。清野さんは50代前半。大角さんとは親子ほど年齢が離れているが、取材中、仲睦まじく談笑する姿が印象に残った。
「大角さんが入ってくれて、気軽に相談できる相手ができたと感じています。彼女は仕上げも上手くて、私が相談することもあるくらい頼もしい存在です」
「男性にしかできない」とされたうなぎパイ職人の世界を切り開いてきた清野さん。その道は確実に次の世代へと受け継がれ始めている。


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