「公民館でゴミ出しをするけども、月曜は何、水曜は何と決まっているから全部出せないんですよ。それに、スペースにも限りがあるから2袋出すともう出せないんです。近所の方に迷惑をかけるから」(母)
以前、ゴミ出しの際に背骨を折ったこともあるという。
「そのときは、家まで帰ってくるのが大変で、階段も這って上がっていました」(母)
一度は別の業者に片付けを頼んだが、大雑把な作業で、細かいところまでは手が届かなかった。そんな矢先に脳梗塞で倒れ、治療後、病院でリハビリを受け始めた。自由に動くことができなくなり、娘の世話になるようになった。
片付けられなかったのは、母がだらしなかったからではない。片付けようと思っても、片付けることができなかったのだ。転機は、娘に勧められて「イーブイ片付けチャンネル」の動画を見たことだった。そこから、この家の片付けは動き出した。
生前整理を始める時期について、二見氏はこう話す。
「タイミングは人それぞれです。でも、『生前整理』という言葉が本人の口から出たタイミングが、そのときなのかもしれないですね」(二見氏)
荷物から出てきた「孫からの手紙」に涙
母の部屋には、たくさんのCDが並べられた棚がある。音楽は、母の暮らしの支えだった。
「掃除のときはタンゴをかけるんです。タンゴをかけると元気が出てきてスイスイできるので。音楽に救われています。(亡くなった)主人がポール・モーリアが好きでね。大阪のフェスティバルホールにはよく行きましたよ。連れて行っていただいて。これから静かに聴いてみたいなと思ってね」(母)


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