だったらその進化を押し止めようとするのではなく、進化の流れに乗り、その中でよりよいかたちで手綱を握る、コントローラブルなものにしていくという方向のほうが、実はより堅実で健全ではないかという考え方はできます。
ある研究者が以前、今の情報通信技術の進化は、軍事革命と同じようなものだと言っていました。
今は軍事革命の状況と似ている
19世紀終わりから20世紀初頭にかけて近代軍事革命が起きて、それまでは馬にまたがり鉄砲や槍でシンプルに戦っていたものが、第1次世界大戦の頃から戦車や戦闘機、毒ガスなどのさまざまな現代兵器が出現しました。
そうして生じたのが第1次世界大戦の惨状で、兵器の進化による塹壕戦で膨大な数の人が亡くなりました。第2次世界大戦でもものすごい数の人が亡くなっています。ドイツとロシアの戦争では約3000万人もの人が亡くなりました。
これは行き過ぎだ、コントロールしようという流れになり、第2次世界大戦後にさまざまな取り組みが行われました。
BC兵器(化学・生物兵器)は禁止し、核兵器に関しては核不拡散条約を作り、米ソ間でも軍縮や核兵器を抑制する取り決めをしたりしています。少しづつ、大きな戦争が起きたり、先端兵器が制限なく使われたりしないようにコントロールしていく流れに切り替わっていきました。
今でもロシアによるウクライナ侵攻といったことが起きています。けれど、第2次世界大戦以降、軍事をコントロールする方向で来た結果、大きな戦争は起きずに済んできた。
認識として、インターネットは、AIも含めて、第1次世界大戦当時くらいのレベルにあるのではないでしょうか。つまり、どう使いこなしていいかわからないから、それが暴走してしまう。とはいえ軍事革命と同様に、AIやネットの革命もどんどん進んでいく。
どこかの時点でコントロールを取り戻す必要があるものの、コントロールを取り戻すことと、技術の進化を抑えることは全く別の話です。技術の進化を抑えるのは無理だとわかれば、コントロールする方向に進めたほうがいいという議論もより生じてくると思います。


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