さらに、高知県のデザインのトラックも高速道路上で見たことがあるが、こちらも四国トランスポートというバス会社のホームページに、ラッピングを施したトラックの写真が掲載されている。
内容はやはり、高知県庁、高知市役所、いの町役場など自治体が多い。トラックは窓がないので横全面がデザインに使えるため、バス以上に目立つのだろう。
当然のことだが、交通機関は自動車にしろ、鉄道にしろ、広域で大勢の人の目に触れるため、観光や自治体のPRに使いやすい。限られたエリアを走る通常の路線バスでは、不動産会社や病院など生活に根差した広告を入れて走るケースが多いが、高速バスや高速道路を全国規模で走るトラックは、離れた地域に向けてPRする内容が多くなる。
鉄道では、滋賀県に路線を持つ近江鉄道の車体に、非常に大きく「新名神 土山サービスエリア」のラッピングが施されていたものに思わず惹かれた。高速道路の施設のPRを鉄道会社がするとは敵に塩を送るみたいで不思議だが、調べてみるとこのSAはなんと近江鉄道グループの経営であった。敵どころか完全に身内である。
近江鉄道グループは、同じ滋賀県内の北陸道「賤ヶ岳SA(下り線)」の運営も行っており、ローカル赤字線を抱える鉄道会社の経営の多角化戦略がラッピング車両にも表現されていたことになる。
「広告を見る」も新たな移動の楽しみに
航空機でもポケモンやディズニーの特別塗装を施した機体を空港で見ることがあるが、広告というよりは子ども連れやファンに乗ってもらう仕掛けの意味合いが強い。
そんな中、以前、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が世界自然遺産に登録された際に、JALが登録エリア内の希少動物などをデザインした「世界遺産仕様」になったのを見たことがあって、こちらは公共的な色彩が強いデザインだった。
このように鉄道やバス、あるいは飛行機は実際に乗る楽しみのほかに、「広告を見る」というまったく別の楽しみも提供してくれている。今度はどんなラッピングのバスやトラックと高速道路で出会うだろうか――。


※ログイン後、コメント入力が可能です。