――この技術が使われた第一号のADC製品がエンハーツです。画期的なのは、薬が標的とするタンパク質「HER2」が陽性の患者のみならず、「HER2低発現」「HER2超低発現」の患者に対しても有効性を示せたことです。
エンハーツの適応になる患者さんが「HER2陽性」に限らないことは、プレクリニカル(臨床試験に入る前の段階)のデータからすでに見えていた。15年から始めたフェーズ1の臨床試験で、それが確かに裏付けられた。16年にこの臨床試験の結果が研究所に知らされたときは「予想通り、ちゃんと効いたな」と心から安心した。
「HER2低発現」「超低発現」という新しいカテゴリーを築いたことで、エンハーツの投与対象となる患者数は劇的に増えた。
――エンハーツに続くADC製品であるダロトウェイに関しては、患者数が多い肺がんの1次治療向けの臨床試験「AVANZAR」における第3相の結果が、今年後半には出てくる予定です。
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