だが、それから数年経ってカラスの台所事情がまた変わってきた。地域猫は可能なら里親を探すし、不妊処置しているから子どもも生まれない。つまり、いずれ減るのである。
うちの辺りでも、猫は次第に減った。当然、猫缶も減った。よって、猫缶をつつくカラスを見ることも減った。ゴミ以外の餌資源も、しばしば人間の胸先三寸で量や分布が変わるのである。
地域猫は減ったが、カラスも減るとは限らない
こう考えると、「以前はゴミが食べ放題だった。だが、ネットやダストボックスでガードされるようになるとあの手この手でガードの甘い餌場を探すようになった。それもなくなると、猫缶を狙うようになった」と理解するのが素直だろう。
そこで地域猫も減ってくると、カラスも減るはずだ!
……とは限らないのだ。どうやら。
東京都内で調査してみると、確かにだんだんペア数が減っているところもある。だが、調査途上なので確定的なことは言えないのだが、妙にカラスが多いエリアもあるのだ。1平方キロにも満たない範囲に10ペア以上いるエリアさえあった。
では、そういう地域は路上がゴミだらけでいつもカラスに荒らされているのかというと、そうでもない。自然豊かで餌がいっぱいある、という感じでもない。確かに公園はあるが、そこにカラスが集中しているわけでもない。
子育て世代の多いエリアではあるので、休日になると子供づれで公園がにぎわう。当然、お弁当やおやつを落とすこともあって、カラスにとっては良い餌になるだろう。
だが、そんなにしょっちゅう食い物が落ちてるかぁ? なんか納得いかない。
あのカラスたちはいったいどこで、何を食っているのか? 猫缶に代わる餌資源は何なのか、まだ見つけられていないのである。


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