生成AIの急速な普及が、スマートフォンの価格に波及し始めた。データの処理や保存を担う半導体メモリの需要がAI関連へ集中して調達難と価格高騰が起き、スマホの製造コストを押し上げているためだ。スマホメーカーのFCNTはこの状況を「AI新時代のニューノーマル(新常態)」と呼ぶ。
同社が8月18日に開いた「arrows Alpha2」の商品戦略発表会は、新機種のお披露目であると同時に、値上げ圧力にメーカーがどう向き合うかを説明する場でもあった。
FCNTの外谷一磨・統合マーケティング戦略本部長は壇上で、AIは本来誰もが恩恵を受けられる技術であるべきだとしたうえで、「AIが新しいデジタルデバイドを生む、そんな時代にはしたくない」と語った。スマホ価格の上昇が、AI体験への入り口を狭めかねないという危機感だ。
「手が届くハイエンド」の成功が前提にある
FCNTは2025年、「手が届くハイエンド」を掲げた「arrows Alpha」を10万円以下で投入した。この賭けは当たった。外谷氏によると、arrows Alphaはオープン市場(非キャリア向け市場)における販売価格8万円以上のAndroidスマートフォンで出荷台数1位(MM総研調べ、発売後12カ月)を獲得した。
購入者の内訳を見ると、買い替え前の機種が7万円以上だった人は49.9%、7万円未満は50.1%とほぼ半々だった。ハイエンドの値上がりについていけなくなった層の受け皿と、ローエンドからのステップアップの入り口を同時に担った形だ。


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