発表会の最後には、らくらくスマートフォンの新製品も近く案内すると予告された。
「値上げをせず提供し続けたい」の重み
残る問題は、この価格がいつまで持つかだ。質疑応答では、発売済みの機種が後から値上げされる事例が市場で出始めていることを踏まえ、Alpha2も発売後に値上げされることがありうるのかという質問が出た。外谷氏はメモリ高騰がいつまで続くかは見通せないと認めつつ、「arrows Alpha2の価格については値上げをせず提供し続けたい」と答えた。
FCNTは中国レノボグループの傘下となり、その調達力が生かせる。外谷氏は、調達価格が上がっている傾向があるとしつつも、メモリを調達し続けて製品供給を途切れさせない体制には自信を示した。
質疑では、そもそも「ハイエンド」とは何かという問いも出た。記者から、最上位機が40万円に迫る市場でFCNTの考えるハイエンドはどこを指すのかと問われた外谷氏は、ハードウェアのスペックだけではハイエンドを定義できない段階に来ているとし、「体験品質としてのハイエンドを目指している」と答えた。
商品企画担当の高橋知彦氏は、時代ごとに何が重視されるかで定義は変わると指摘する。端末の利用期間が延びる中では、OSアップデートやセキュリティ更新の保証期間の長さもハイエンドの要素になりうるとの見方だ。外谷氏は締めくくりで、ハイエンド、ミッド、ローという区分自体が過去のものになるほどの体験価値の見直しが必要になるとも述べた。
「値上げをせず提供し続けたい」という言葉は、メモリ市況という自社では制御できない変数を抱えた約束だ。それでも、原価1割削減という裏付けを持って10万円前後に踏みとどまった選択は、値上げが避けられない時代の現実的な解の一つに見える。


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