馬場先生 私のクリニックでも、最近は子どもでも虫歯はほとんどなく、食いしばりなどほかの原因で歯の治療に来る患者さんが増えています。小さな頃からスマホが当たり前ですから、子どもでさえ交感神経優位な状態が続いているわけですね。
無自覚な食いしばりはストレスのサイン
薩摩先生 交感神経が常に優位な状態では、夜になっても副交感神経にスイッチを入れるタイミングがありません。
馬場先生 本来、食いしばりには噛むことでストレスを発散する役割もあります。しかし、それも度を越えてしまい、歯折(歯が折れること)が最近の歯科の分野の大きな課題でもありますね。
薩摩先生 確かにそうですね。かつては夜間の睡眠で、身体や脳の疲労は十分に回復できました。でも、現代のスマホ時代は違います。寝る直前までスマホを見続けている生活では、あごまわりの骨から常に交感神経信号が送られている状態。これでは、寝ても疲れが取れないのは当然です。
馬場先生 歯科分野では食いしばりが一つのストレスの指針にもなります。実際、患者さんに「食いしばりしていますか?」と聞くと、多くの方は「いいえ」と答えます。しかし、口の中を見てみるとほおの内側や舌に歯型がついているなど、明らかに食いしばりをしているのですが、ご自身では気づいていないのです。
歯科医院によっては食いしばりの原因となる咬筋のパワーを専用の機器で測れるところもありますが、まずは自分が食いしばりだと知ることが、食いしばり、さらにはストレスを改善するための第一歩だと思います。
薩摩先生 自分の状態を知れば、体を治そうというメンタルに向かいますからね。
馬場先生 その通りです。患者さんの中には、治療に来て歯科衛生士さんとおしゃべりをしていくだけで、笑顔になって帰る方もいる。だから、私のクリニックではスタッフに患者さんとできるだけおしゃべりをしてほしいと伝えています。
薩摩先生 歯医者さんなのに「おしゃべりしてほしい」とは面白い! 戦闘態勢でいることに気づけば、毎日のほんの少しの習慣でも交感神経をゆるめることはできますからね。


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