まず代替用語の主な候補として、死球は「当球」、犠打は「貢献バント」、盗塁は「隙あり」、一死は「一消」が上がっていると報じられています。
野球が好きな人ほど違和感を覚えてしまうのは当然でしょう。野球が日本に伝わったのは1872年と言われ、その後1894年に中馬庚さんが第一高等中学校(現東京大学)のベースボール部史を執筆する際、「野球」という用語を使用し、 ルールブック記載の野球用語を特有の漢字表記で表しました。
野球用語はそこから約130年にわたって使われてきたものであり、その浸透度を考えると変えるためには相応の必要性がいるでしょう。
子どもたちに「死」「犠」「殺」「盗」「刺」という言葉を教えることも教育
裏を返せば、相応の必要性が感じられないから「言葉狩りだ」という批判が上がってしまうということ。番組でもネット上でも用語の変更は不要派が大きく上回り、「他にやることないのか?」「もっと見直すべきものがある」「誰も気にしてないわ」「野球選手は誰もそんなこと思っていない」「言葉を変えたら殺人が減るのか」などのコメントが上がっています。
さらに「死」「犠」「殺」「盗」「刺」などの文字が子どもの教育的によくないものと決めつけることへの批判も少なくありません。言葉の置き換えは「これらの文字は世の中から消すべき」というメッセージのようなニュアンスがありますが、「死」「犠」「殺」「盗」「刺」という行為そのものを消すことはできず、臭いものにふたと言われても仕方がないでしょう。
子どもたちにこのような言葉を教えることも教育であり、「死」「犠」「殺」「盗」「刺」が必ずしもネガティブな意味だけとは限らないことを教えることも教育と考えるほうが自然。ネガティブな一部分を切り取って消そうとする動きに反発が集まるのは当然のように見えます。


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