1本、約6万円。桐箱を開けると、うやうやしくその商品は現れる。
高級ウイスキーやワインの話ではない。文房具、それもボールペンで、従来の常識を打ち破る価格帯の商品が登場したのである。
それが、ゼブラの「THE ZEBRA HAMON」だ。本体価格は5万9400円。それまで同社のボールペンといえば100円~数百円台のものが多い一方、そこから「100倍」の価格となった異例すぎる商品はなぜ生まれたのか。
採算を度外視してでも、いくつもの日本初やナンバーワン商品を生んできた
「面と向かって言われたことはないですが、多くの社員は『え、何でそんなものを?』と思っていたはずです」
そう振り返るのは、開発を主導したゼブラの中田裕二郎さん(研究本部 研究部 シニア・プロフェッショナル)だ。デザイン畑出身で、これまで「サラサクリップ」のバインダークリップなど、同社でいくつもの看板商品に携わってきた。
ゼブラは競合と比較し、高価格帯の商品ラインナップよりも、消費者にとって身近な価格帯の商品が充実している傾向にあった。日用品として買いやすいことを重視し、100~500円ほどの定番商品をそろえているのが大きな特徴だ。


※ログイン後、コメント入力が可能です。