2024年には既存の焼きたてパン店をリニューアルし、「のっぽベーカリー裾野店」をオープン。翌2025年には「のっぽベーカリー富士店」もオープンした。看板や入り口にキリンのキャラクターをあしらい、店内にはのっぽパン専用コーナーを設置。店舗全体で、のっぽパンの世界観を表現している。
一方で、バンデロールの焼き立てパン事業そのものは、近年店舗数を減らしている。
「人手不足という課題があるなかで、赤字店舗を続けるのは難しいというのが実情です」
社員一人ひとりがのっぽパンを支える
業績の厳しい店舗は閉店せざるを得ない。そのなかで、既存店をのっぽパンの世界観でつくり替える試みが始まっている。2007年には会社の主力事業とともに消えた商品が、いまは残った事業を支える側に回っている。
工場直売市が開催された8月の第1日曜日、野田さんは、のっぽベーカリーに行くという。取締役管理本部長が、なぜ現場に?
「週末はのっぽベーカリーも忙しいので、のっぽパンを作りに行くんです」
取材を通して印象的だったのは、こんなふうに、社員一人ひとりが部署を超えて、のっぽパンを支える姿だった。
一度は販売終了に追い込まれた、のっぽパン。
復活後も経営は決して順風満帆とはいえないが、社員一丸となって「どうすれば価値を高められるか」「どうすれば、のっぽパンを次の世代へつなげられるか」を考え、行動している。
買う人だけでなく、作る人たちにも愛されてきた。それが、のっぽパンが今も続く理由なのかもしれない。


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