クロード氏の見立てでは、計算能力自体だけでなく、複数のAIモデルを効率的に活用しながらコストと性能を最適化できる仕組みを提供する企業が競争優位を獲得する。そのため、アマゾン、マイクロソフト、アルファベット子会社グーグルのような企業は、規模や顧客基盤の強さから、ネオクラウド事業者よりも持続的な優位性を持つという。
ハイパースケーラー各社のバリュエーションは今年に入って圧縮され、なおコロナ禍後のピーク水準を下回る。予想利益ベースの株価収益率(PER)は、マイクロソフトが約24.6倍で最も高く、メタは17.6倍で最も低い。
BCAリサーチのチーフ米国株式ストラテジスト、ノア・ワイゼンバーガー氏は、今後コンピューティング能力の供給が増えて料金が正常化すれば、ネオクラウド事業者は厳しい状況に直面しかねないと警告する。ネオクラウド企業は多額の借入れに頼るほか、高価格が維持されるビジネスモデルにも依存しているためだ。
ワイゼンバーガー氏は、ハイパースケーラーについても、より資本集約型の事業モデルへ移行していることから、利益が好調でもバリュエーションの上昇は抑制される可能性があると指摘する。それでも投資妙味の観点から「ハイパースケーラー買い・ネオクラウド売り」の投資戦略を推奨している。
勝者は少数派に
勝者と目される企業にも課題は残る。スイスの資産運用会社LGF+ZESTのアルベルト・コンカ最高投資責任者は、現在の投資計画を正当化するには、AIの収益化を5倍から13倍に高める必要がある。
前出のウェリントンのバーベッタ氏は、市場が成熟するにつれて競争が激化し、最終的な勝者は限られてくると予想。特に幅広い技術ポートフォリオを持ち、強固な顧客基盤を築き、自社インフラをコントロールできる企業が、専門特化型の競合企業よりも優位に立つとみている。
バーベッタ氏は「将来的に勝者となる企業の数は、現在市場に存在しているプレーヤーの数よりも確実に少なくなるだろう」と指摘した。

