台湾外交部や各種団体が今回の問題について遺憾の意を表明したことで、今後、台湾の地方自治体や教育機関などが長崎との公式訪問や交流事業、修学旅行などを見直す可能性も考えられる。長年にわたって積み重ねてきた自治体外交や民間交流の「資産」を、自ら損なう結果につながりかねない。
4つ目は、長崎県産品の台湾市場におけるブランドイメージや輸出機会への影響である。
長崎県は水産物や柑橘類やビワなどの農産物、波佐見焼などの特産品について、台湾を含む海外市場への販路拡大に取り組んでいる。
今回の問題をきっかけに、台湾の消費者やバイヤーの間で長崎に対する否定的なイメージが定着すれば、長崎県産品の購入や取り扱いを敬遠する動きにつながる可能性もある。長崎県が力を入れてきた食や物産の海外販路拡大にとって、思わぬ逆風となることが懸念される。
長崎市は本当に「平和都市」?
5つ目は、「平和発信都市」としての長崎市の国際的な信用と求心力の低下である。
長崎市は被爆地として、「核兵器廃絶と世界平和」を世界に訴え続けてきた。
しかし、民主主義や平和という価値を共有する台湾に対し、中国への配慮や国交の有無など、外交上の形式を優先して座席を配置したと受け止められれば、長崎市の対応に対する批判が広がる可能性がある。
「政治的な配慮によって平和を願うパートナーを排除する都市」という印象を与えることになれば、長崎市が長年培ってきた国際平和都市としての道義的な求心力やブランド価値に、目に見えない損失を与えることにもなりかねない。
長崎と台湾の友好関係が今回の問題によって損なわれることなく、むしろ相互理解を深める契機となるよう、一刻も早い関係の再構築を願ってやまない。


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