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2025年以降、中東情勢の緊張は再び世界経済に大きな影響を及ぼしている。財務省「普通貿易統計」によれば、日本は25年度に原油輸入の92.5%を中東地域に依存しており、ホルムズ海峡をはじめとする海上輸送ルートの安全確保は日本経済の根幹に関わる課題である。
原油リスクと脱石油依存
歴史を振り返れば、1941年の対日石油輸出禁止、73年の第一次オイルショック、79年の第二次オイルショックなど、日本は過去に幾度も石油危機を経験してきた。中東地域は国際政治上の重要地域である一方で、地政学的な不安定性を常に抱えており、今後も原油供給が途絶あるいは大幅に制限されるリスクが完全になくなることはない。
日本経済は成熟し、エネルギー効率も大幅に改善されたとはいえ、輸送や化学製品では依然として石油に依存しており、原油価格の高騰や供給不足は国民生活や産業競争力に直接的な影響を与える。
したがって、短期的には原油の調達先多様化や備蓄の活用などによって危機管理を行う必要がある。日本政府は代替調達先の確保を進め、北米、中米、南米、中央アジア、アフリカへの働きかけを行い、実績も出始めた(図表1)。ただし、現状はアメリカ依存の傾向が強く、遠距離や油種の違いでコスト上昇要因も多く、安心していられる状況でもない。インドやアフリカの経済成長が続けば、原油調達の競争相手も増える。
中長期的には石油への依存を段階的に引き下げる国家戦略を描くことが重要である。経済安全保障の観点からは、単に燃料を確保することではなく、社会や産業が安定して機能し続けるための基盤を整えることが重要である。世界的な地政学リスクが高まるなか、日本には「石油危機が来ても経済活動を維持できる社会」への移行が求められている。


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