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「これがシェフとしての最後の日」ー病気でキッチンに立てなくなった料理家が流した涙、それでも料理は自己表現そのもの

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(写真:『難病ALSのママが綴るいのちのレシピ もしもキッチンに立てたなら』より、撮影:繁延あづさ)

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福岡でオーガニック喫茶店を営む、はらだまさこさん(45)。世界各地を旅する中で出会った料理や食文化にインスピレーションを受け、自らの信念を込めたメニューを提供してきました。しかし数年前、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。
料理家として、そして息子のタカラさん(13)と娘のリンさん(5)を育てる母として、病気の進行とともに、できないことが増えていく苦しみに直面します。それでも「子どもたちに“母の味”を残したい」と願い、懸命に生きるまさこさん。
その思いを、著書『難病ALSのママが綴るいのちのレシピ もしもキッチンに立てたなら』から一部を抜粋してご紹介します。

「台所に立ちたい」という願い

ついこの前まで当たり前だったことが、だんだんできなくなる。

その状態になって、2年以上が過ぎました。

手に力が入らなくなる感覚は、ただ不便というレベルではなく、自分の一部がふっと消えていくような、どうにも説明しがたい喪失感があるのです。

どうしても受け入れられず、病気が進行し始めた当初は、息苦しさで押しつぶされそうでした。

はらだまさこ/1981年、喫茶店文化の街・愛知県豊橋市に生まれる。カフェオーナーの賢介さんと結婚後、出産を機に、家族で日本と海外を行き来する「暮らすように旅する」生活を送る。各地で出会った料理と食文化に影響を受け、2018年、福岡にオーガニック喫茶店「Sounds Food Sounds Good」をオープン。2021年、長女を出産後、足に違和感を覚え、2023年にALS(筋萎縮性側索硬化症)の診断を受ける。失意のなか、自然治癒の症例があることを知り、わずかな希望に光を見いだして生きることを決意。子どもたちに自分の味と記憶を残したいと、不自由な手でレシピを書き始める。2026年の『24時間テレビ49-愛は地球を救う-』に出演(写真:『難病ALSのママが綴るいのちのレシピ もしもキッチンに立てたなら』より、撮影:繁延あづさ)
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