大手ホームセンターのコーナンでも在庫回転率がどんどん低下していて、売り場が広すぎるという状況になっていたのであるが、ホームセンターもグループで運営しているバローはそうした事情をよく理解していたのだろう。
大都市を押えるコーナンの売場の効率を改善しつつ、バローの大都市出店場所を確保するという提案はお見事というほかない。
そしてなんといってもバローのすごさは、グループのホームセンター・アレンザを、業界トップを目指すコーナンに渡して(正確には共同参画ではあるが)、引き換えに関西、関東の出店加速を実現したことであろう。
上位寡占化が進行しているホームセンター業界において、アレンザもダイユーエイト、タイム、ホームセンターバローなどが寄り集まった中小ホームセンターの統合体なのだが、この規模ではさらなる再編の主導はとれない。であれば、いずれは大手との統合が想定されるのだが、バローはその相手をグループにとって最適の相手と組ませた。
ホームセンター業界では、コーナン以外の大手は地方、郊外中心であり、バローが求める関西、関東の出店地というニーズを実現できるのはコーナンの他にはいない。こうした明確な相互メリットの交換によるアライアンスを見せられると、戦国大名さながらのすごみを感じてしまう。
ドラッグストア業界も大再編のタイミング
バロー、コーナン同盟は双方の成長に大いに寄与することになるだろう。コーナンは実質業界トップの規模を背景にPBの充実と、成長業態であるプロ向け(建築業者向けショップ)でトップの確立を目指す。バローは関西、関東への出店を加速し、リージョナルスーパーから全国展開の大手スーパーへと飛躍することが可能になった。
ただ、バローにはまだ二の矢があることを忘れてはなるまい。バローグループには、Vドラッグという売上高1800億円超のドラッグストアがあり、これもドラッグストア業界の現況を考えれば、ホームセンターと同じような状況にあることに気付くだろう。ドラッグストア業界は2兆円企業、1兆円企業がしのぎを削り、これから最終決勝リーグが開幕する、という大再編のタイミングなのだ。といえば、バローの出方を想像してしまうではないか。
ドラッグストアとの同盟関係ということになると、Vドラッグ1800億という規模を必要としていて、バローPBの供給がお互いに有効で、出店エリアにおいて商圏に補完性があって、今後バローグループと共闘する利害が一致する、といった企業になるのかもしれない。というと特定の個社を想像してしまうかもしれないが、今回これ以上はやめておこう。
ただ、もしそうしたアライアンスが現実になるとしたら、資本業務提携で結ばれ、サプライチェーンでも協働する拡張バロー連合は、数年後には、スーパー、ホームセンター、ドラッグストアという生活必需品のすべてを品そろえできる、数兆円規模の大手流通グループとして名乗りを上げている可能性がある。本来であれば簡単なことではないのだが、買収した地場スーパーの手法に学んで、主力事業のスタイルさえ変えてしまうバローの柔軟性は、大いに期待させてくれる。Vドラッグを起点に何をしてくるか、バローの次の一手が楽しみだ。


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