有料会員登録 東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

中3の英語力"7回連続全国1位"のさいたま市、「できる子を伸ばす」「つまずいた子を支える」…小1から9年かけてやってること

11分で読める
さいたま市 英語の授業の様子
(写真:さいたま市提供)
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

つまり、全員に同じ方法を当てはめるのではなく、「どこでつまずいているのか」「どんな方法なら学びやすいのか」を見ながら支援を変えていく。

(写真:さいたま市提供)
(写真:さいたま市提供)

さらに、子どもたちの英語力を継続的に把握し、その結果を次の指導にもつなげている。26年は、小学校6年生で英検ESG、中学校の各学年で英検IBAを実施。加えて、中学校2年生は「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測定できるGTECを全員が受験する。結果は学校ごとに分析し、どこでつまずいているのかを把握して、授業改善に生かす。

特に中学2年生の結果は、卒業までの残り1年余りの指導を考えるための材料として活用する。つまずきを見つける。授業の中で支える。学び方を変える。そして、結果を次の指導につなげる。

1つの支援策に頼るのではなく、こうした仕組みを重ねながら、さいたま市は「英語が苦手」という子どもを置いていかないための授業をつくっている。

「英語が好き」な子どもは、学年が上がるにつれ減少傾向

こうした取り組みの成果の一つが、冒頭で記した中学3年生の英語力だ。6月中旬に文部科学省が公表した「令和7年度英語教育実施状況調査」によると、さいたま市では、CEFR A1レベル(英検3級相当)の英語力を身に付けている中学3年生の割合が88.9%に達し、7回連続で全国1位となった。(全国平均は54.6%)。

※ 上のグラフでは、中学校(R7は特別支援学級を含む。)第3学年の生徒に占める割合を算出している。特別支援学級については、外国語科について中学校の目標及び内容に準ずる教育課程で学んでいる生徒のみを対象としている。 ※ 「第4期教育振興基本計画」(R5〜R9)では、すべての都道府県・政令指定都市において、CEFR A1レベル相当以上を達成した中学生の割合5割以上を目標としている。 ※ 「第3期教育振興基本計画」の始期がH30であることを踏まえ、H30からの経年変化を示している。 ※ H30・R6は各年の12月1日時点であり、R7はR8年2月1日時点。 ※ 上のグラフに示すR7の数値は小数第二位を四捨五入している。
(出所)文科省「令和7年度『英語教育実施状況調査』(概要)」

一方で、数字だけでは見えない課題もある。英語力が高いことと、子どもたちが「英語が好き」と感じていることは、必ずしも同じではない。

25年度の市学習状況調査によると、「英語の勉強が好きか」という質問に「好き」「どちらかといえば好き」と答えた割合は、小学1~3年生では80%台に達する一方、小学4、5年生では70%台、6年生と中学生では60%前後まで下がる。学年が上がるにつれて、「英語が好き」という子どもの割合は低下する傾向にある。

「小学校では楽しく活動していたのが、中学校に入って急に難しくなる。そのあたりで英語が嫌いになるのではないか」。現場の教員からも、こうした分析が出ているという。

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数