つまり、全員に同じ方法を当てはめるのではなく、「どこでつまずいているのか」「どんな方法なら学びやすいのか」を見ながら支援を変えていく。
さらに、子どもたちの英語力を継続的に把握し、その結果を次の指導にもつなげている。26年は、小学校6年生で英検ESG、中学校の各学年で英検IBAを実施。加えて、中学校2年生は「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測定できるGTECを全員が受験する。結果は学校ごとに分析し、どこでつまずいているのかを把握して、授業改善に生かす。
特に中学2年生の結果は、卒業までの残り1年余りの指導を考えるための材料として活用する。つまずきを見つける。授業の中で支える。学び方を変える。そして、結果を次の指導につなげる。
1つの支援策に頼るのではなく、こうした仕組みを重ねながら、さいたま市は「英語が苦手」という子どもを置いていかないための授業をつくっている。
「英語が好き」な子どもは、学年が上がるにつれ減少傾向
こうした取り組みの成果の一つが、冒頭で記した中学3年生の英語力だ。6月中旬に文部科学省が公表した「令和7年度英語教育実施状況調査」によると、さいたま市では、CEFR A1レベル(英検3級相当)の英語力を身に付けている中学3年生の割合が88.9%に達し、7回連続で全国1位となった。(全国平均は54.6%)。
(出所)文科省「令和7年度『英語教育実施状況調査』(概要)」
一方で、数字だけでは見えない課題もある。英語力が高いことと、子どもたちが「英語が好き」と感じていることは、必ずしも同じではない。
25年度の市学習状況調査によると、「英語の勉強が好きか」という質問に「好き」「どちらかといえば好き」と答えた割合は、小学1~3年生では80%台に達する一方、小学4、5年生では70%台、6年生と中学生では60%前後まで下がる。学年が上がるにつれて、「英語が好き」という子どもの割合は低下する傾向にある。
「小学校では楽しく活動していたのが、中学校に入って急に難しくなる。そのあたりで英語が嫌いになるのではないか」。現場の教員からも、こうした分析が出ているという。


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