むしろ暑さを売り物にする「熱経済」も活発化している。吐魯番では、熱い砂に身体を埋める「砂療」がSNSを中心に人気を集めている。
これは伝統的な療養法で、 血行促進やリウマチ、関節痛、冷えの改善などの効果がうたわれている。現地からの報道を見ると、広大な砂場の中で日傘が並ぶ。その下に寝転んで上から砂を掛け、専門家のアドバイスを受けながらしっかり汗を出すものだ。7月初めには、砂療施設に全国から数百人の利用者が訪れたという。
「熱経済」の発生と「極端な水不足」
8月中旬になると、韓国では接近する台風の影響もあって極端な高温は一段落した。「普通の夏が戻ってきた」という安堵の声も聞かれ、夜遅くまで、町を散歩する人の姿も見られた。
ただ極度な高温の恐ろしさは、熱中症だけではない。猛暑は大量の水を必要とし、干ばつを伴い水そのものも失わせることだ。
韓国では高温と降水不足が重なり、連日「水不足」がトップニュースになっていた。
貯水池やダムが平年の半分以下に下がり、干上がった水田の様子が報道された。韓国の消防庁は8月11日、国家消防動員令を発令した。全国から給水車・水タンク車など消防車両200台と隊員400人が、南部の農村地域へ緊急派遣され、農業用水や生活用水の給水支援を行っている。
中国でも熱波は農業を直撃している。新疆や四川、重慶などでは高温が長期化し、農作物への散水や農業用水の確保が重要な課題になった。中国気象当局は高温と干ばつが重なる地域で農業への警戒を強めている。
北朝鮮でも猛暑、日照りの影響が出ているようだ。
東アジアの夏は、もはや「暑いので家でエアコンをかけて休む」という単純な話ではなくなった。
この数年続く猛暑・酷暑。今後もこのような暑さが続くとすれば、都市の構造をはじめ、農業、水資源、医療、交通、観光、エネルギー政策を夏の暑さに合わせて再調整する必要が出ている。


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