すると、頂上を目指して歩いているつもりなのに、また同じ別荘に行き着いて、子どもたちと笑いあった。
ふと耳を澄ますと、聞こえてくるのは鳥と虫の声。
「クゥクゥクルックゥー」「チュンチュン」「スィーッチョン」「ミーンミーン」
風が木々を揺らすサラサラとした音。チャプチャプと遠くから聞こえる波の音。定期船が近づいてきた汽笛の「プー」という音が島を包む。
自販機がない。そして、誰にも会っていない
14:00、1台の車が通った。そういえば、鴻島に着いてからかれこれ1時間半、誰にも会っていないことに気付く。
何度目かの休憩のため道端に座り込み、水筒を開けた。
「……そういえば、自販機くらいあるよね?」
普段、目を合わせて会話することもない夫と目があう。無言の緊張が走る。
いつもは、外出するときに持参したお茶がなくなったら、コンビニや自販機で気軽に買っている。何もないとは聞いていたが、まさかの自販機もないのかもしれない。そこまで頭が回っていなかった。この島にいる間は、持ってきた水分で乗り切らねばならぬ……!
子どもたちにお茶を飲ませて、筆者も一口だけお茶をふくんだ。
そして、島にいるはずなのに、なぜか山道を歩き続ける筆者一家。水への不安と時間の関係もあって、結局、頂上は諦めることにした。面積2k㎡の島なはずなのに……。 ふたたび歩き出し、次は海岸に向かってみる。


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