フェリーに揺られること25分。景色を楽しんでいると、別荘が立ち並ぶ島が目の前に現れた。フェリーは、まっすぐにその島に向かっていく。ネットで鴻島の写真を見ていたはずなのに、リアルに目の前に現れると思わず声が出た。
「あれが、鴻島だ……」
明らかに、異彩を放っている。小さな島を覆う緑の木々の中、急な斜面のいたる所に家が建ち並ぶ。真っ白な外壁にオレンジや水色で塗られた屋根。白壁の建物が斜面に沿って点在する様子は、まさに地中海を思わせる雰囲気ではないか......! ちなみに、筆者は地中海に行ったことはない。
「別荘島」に、いざ潜入!
12時40分。フェリーが鴻島に着いた。ワクワクした気持ちで島に降り立ち、まず目にしたのが「鴻島観光案内」と書かれた看板。どうやら、いまいるところから約2.5km歩けば、島の中央「鴻の鳥山」の山頂に着くようだ。山頂からは、瀬戸内海の長島や小豆島などの島々を一望できるらしい。
「今日は、冒険だ!」
子どもたちに伝え、山頂を目指すことにした。しかし、鴻島の面積は約2k㎡。山頂まで約2.5kmの計算が成り立つのか疑問にも思ったが、1kmを歩く時間は約13分と聞いたことがある。きっとすぐに山頂につくはず…そう思っていた。
歩き始めてすぐ、筆者一家を待ち受けていたのは急な坂道だった。そして、青々としげる木々。遠くに海が見える坂道を上る。「海といえば、広い砂浜!」をイメージしている筆者は、南の島でこんなに山に囲まれた坂道を歩くとは思っていなかった。
「え、これ実家の山奥と景色変わらんくね?」
と思ったが、さすが別荘島。至るところに別荘が存在する。少し歩けば、別荘らしき建物が次から次に現れる。急な斜面にも別荘が建てられ、基礎がむき出しの家が多い。家の前に車が停まっている建物もあるが、人の気配は全くない。島の住民の家なのか、別荘なのか見分けがつかない。
後で知ったことだが、この島の別荘取引の大半を、大阪のある不動産会社が扱っているそうだ。


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