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「1億円の家」が200万円で…《バブルが置き去った廃墟島》自販機もポストもない「52人の島」に別荘350軒、歩いて見えた現実

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プール付き別荘が廃墟に
プール付き別荘がボロボロの廃墟に……(写真:筆者撮影)
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「鴻島には飲食店がない」との前情報を仕入れていたので、本島にいるうちに昼ごはんをかきこんだ。駐車場と道路のすぐそばにある定期船乗り場に行くと、すでにフェリーが停まっていた。

あ、あの船だ!(写真:筆者撮影)

白と赤の小綺麗な船に少しテンションが上がる。目に飛び込んで来たのは、「のりなはーれ」の文字。この船の名前だろう。「はーれ」は、「晴れの国・岡山」からきているのだろうか。

「のりなはーれに、乗りなはれ」

ボソッと声に出してみたが、我が家の家族は誰一人として笑ってはくれなかった。

のりなはーれに、乗りなはれ(写真:筆者撮影)

斜面を埋める白い壁と、オレンジの屋根

12時15分、船頭さんが「入っていいよー! 泊まり? 日帰り?」と声をかけてくれた。「日帰りです!」と答え、フェリーに乗り込んだ。料金は大人310円、小学生160円、小学生未満0円。片道の合計940円を船頭さんに手渡しした。

乗客は筆者家族以外に1人のみ。本島に買い出しに行っていた島の住人のようだ。

1階は、通路を挟んで3席ずつの3列で合計18席と、4人掛けのテーブルや優先席もある。エアコンがしっかり効いていて、とても快適だ。

船の1階室内。エアコン・トイレも完備(写真:筆者撮影)

暑いので1階の室内にいたかったが、子どもたちが行きたがったので2階のデッキに上がってみた。2階には木製のイスとテーブルが置かれていた。

「海だー!」

瀬戸内海は、穏やかな海に大小さまざまな島々が連なって浮かぶ景観と温暖な気候から「日本のエーゲ海」と呼ばれる。船の上から見る景色、海の風、照り付ける太陽を全身で浴びる。

2階デッキ。ムダにテンションが上がる(写真:筆者撮影)

子どもたちが楽しそうであることは言うまでもないが、確実に筆者のテンションも上がっていく。

フェリーの速度は非常にゆっくりで、少しずつ、少しずつ、本島から離れていく。心の中で、「さよなら、本島」なんて、感慨に浸ってみる。

さよなら、本島(写真:筆者撮影)
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