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「東大卒でも社会で使えない奴はどうして生まれるのか?」『御上先生』教育監修者が教育学的に解説してみた

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地頭力の正体
「学習転移」という概念はどのようなものなのでしょうか?(写真:west/PIXTA)
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さて、まったく逆の考え方として、「東大に受かるくらい努力できたんだから、仕事でも努力できるはずでしょ?」という意見もあると思います。

これは素朴な直感としてはわかりますが、教育学的には明確にウソです。

なぜならば、努力とか集中力とか継続力というものは、その状況とセットで身に付いているからなんですよ。

厳しい先生の前ではめちゃくちゃ真面目に授業を受ける生徒が、ぬるい先生の前になった瞬間ハッチャケる、みたいな話がありますよね。

見ている側の我々ととしては「どうしていつもちゃんとできないのかな」と思うわけですが、実はあれ、その生徒の中では矛盾していない場合があります。

「厳しい先生の前で真面目にする」というスキルは獲得したけれど、「どんな状況でも自分を律する」という抽象度までは上がっていなかった、ということが考えられるわけです。

東大に受かった人の「使えなさ」も、まったく同じ構造です。「受験勉強という状況で努力する」ことは超一流だったけれど、「変化する現実の課題に対して主体的に取り組む」という抽象度までは、その努力が転移していない。

だから、状況が変わった瞬間、能力ごとスッと消えてしまう、ということがあります。

何が転移して、何が転移しないのか

少し解像度を上げてお話します。僕たちが積み上げてきた経験のうち、別の状況に転移可能なものって、実はレイヤーがあります。

まず、具体的な知識やスキル。これはほぼ転移しません。

例えば「野球で打率が上がった」という経験、これを受験勉強に直接的に生かすことはできませんよね。スポーツ推薦ならダイレクトに使えます。でもそれ以外は正直、ほぼ使えませんよね。

「鎌倉幕府は1185年に成立した」という知識も同じで、これ単体ではスポーツやゲームに転用しようがありません。

次に、抽象的な概念。これはかなり転移しやすくなります。例えば鎌倉幕府の話も、「武士政権が成立した流れ」まで理解が進んで、さらに抽象度が上がって

社会は課題を解決するために制度を変えることがある

人は環境の変化に合わせて仕組みを作り直すことがある

という概念レベルまで到達すると、めちゃくちゃ他のことに広げることができます。

会社組織の話にも使えるし、家庭の話にも使えるし、自分自身の生き方の話にも使える。

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