しかし、避難後に所属先の本部からの指示命令、あるいは業務に対する責任感から、職務を全うすべく行動した結果、自らの命を失うという悲劇を生んでしまった。
この事実は、緊急時における一次避難とその後の対応については、デベロッパーとテナント本社の「どちらの指示命令に従うべきか?」という重い課題を関係者に突き付けることとなった。
「施設側に指示系統を1本化」することは容易ではない
この「二重の指揮命令系統」が死亡事故につながったからといって、デベロッパーが「非常時の際には、出店者側の従業員はいかなるときでも運営側の指示命令に従うこと」という条文を「安全管理規定(規則)」に記載するのか?と言えば、現時点での筆者の見解は「ノー」と言わざるをえない。
なぜならデベロッパーの指示命令により、万が一、テナント従業員が死亡、またはケガをした場合、その責任までデベロッパーは許容できない。またテナント側も大切な社員の命を、デベロッパー側にいわば「丸投げした」という印象は持たれたくない(そもそもデベロッパーの判断が常に100%正しいという保証もない)。
現在メディアでは、多くの危機管理専門家がさまざまな見解を述べている。そのほとんどは「正論」ではあると思うが、現実論としてデベロッパーとテナントの立場を考えれば、「事はそれほど単純ではない」と言うことだけは申し述べておきたい。
8月5日、経済産業省は今回の爆発事故に関して「漏れた液化石油ガス(LPガス)が爆発した可能性が高い」との調査結果を明らかにした。しかし、肝心のガスに引火した原因については、「調査中」とのことで事故原因の解明にはまだ時間がかかりそうだ。


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