日本政府の対ロ外交に変化の兆しが見え始めた。7月21日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議出席のためマニラを訪問していた茂木敏充外相が、ロシアのラヴロフ外相と言葉を交わした。2022年2月にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して以来、日ロ両国外相による接触は初めてである。
〈茂木氏は「旧知の仲であり、2国間関係や地域情勢について話をした」と語った。日ロ関係について、「政府間の意思疎通を行っていくことも含め、2国間関係を適切にマネージ(管理)していくことが重要だ」と述べた。/日本は対ロシア制裁を継続する一方で、25年9月にはロシアへの渡航制限を緩和。中断していた外務省による大学生らのロシアへの短期派遣事業も8月に再開する方向で調整している。〉(7月23日付「朝日新聞」デジタル版)
戦争終結後の日ロ関係を視野に入れた外交を模索し始めている
この接触は高市早苗首相の了解の下で実現したと筆者はみている。日本とロシアが隣国であるという地理的条件は変えることができない。ウクライナ問題をめぐり日ロ両国の立場が異なっているからといって、それは対話を拒む理由にはならない。
またロシア・ウクライナ戦争において、ウクライナが被占領地域とクリミアからロシア軍を駆逐して勝利を収めることは、現実には極めて困難である。このような現状認識に立ち、首相官邸は戦争終結後の日ロ関係を視野に入れた外交を模索し始めているのである。
今回の接触には自民党の鈴木宗男参議院議員が重要な役割を果たした。〈今年5月4日15時(モスクワ時間)ルデンコ外務次官と対談した際「提案がある。茂木外務大臣との面会を調整する用意、対話を再開する用意がある。国際会議、例えば直近で言えば7月のマニラにおけるASEAN関連会合のマージンで茂木大臣とラブロフ外務大臣との接点を持ちたいとの希望があれば、ラブロフ大臣は断らないだろう。」と言われた。〉(7月24日付・鈴木宗男オフィシャルブログ)
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