だが、その結婚は減っている。背景には、「男性と結婚することで経済的安定を得る」という意識が、女性になお根強いことがあると山田さんは指摘する。日本経済の停滞が長引き、社会全体が沈むなかで、最近では男女を問わず、パートナーに収入の高さを求める傾向も出てきている。
独り身を選ぶ価値観は広がりつつある。だが、人生の標準形はいまも「家庭を持つこと」に置かれたままだ。本当にソロは社会から認められているのだろうか。
X(旧ツイッター)で独自の恋愛観をつづり、サブアカウントを含めてフォロワー約30万人を抱えるDJあおいさんは、男女を問わず幅広い年齢層のソロから、さまざまな悩み相談を受けてきた。
“ソロ活”は許されても、制度は追いつかない?
「社会がソロを容認しつつあるとはいえ、それでも社会からとがめられているように感じる人は多いです。消費行動や“ソロ活”など、文化としてのソロは許容されていても、制度としてのソロがまったく追いついていないという印象です」
たとえば、病気で倒れて長期入院となった場合、誰が支えてくれるのかという不安がある。残業や転勤の対象として、家族のいないソロが優先されがちだという声もよく聞く。DJあおいさんは、ソロを将来的に支える仕組みが、まだ十分に視野に入っていないと続ける。
「たとえばソロの人が『サッカーW杯が見たいから』『応援する野球チームの試合中継を見るため』『推しているアイドルのライブに行くので』といった理由で『休みます』と言ったら、『ふざけるな』となる。趣味を優先するのも個人の権利だし、個人の自由。
家族都合は優先される一方、ソロはどこか権利を主張しづらい風潮がある。優遇してほしいわけではない。けれど、ソロも同じように主張できる社会になってほしい。それが、多くのソロが胸に秘めている本音だと思います」

