「3割うまい!!」という言葉は、60年以上の歴史を経て同社の強固な経営指針として脈々と受け継がれている。
売上高100億円突破も、年間の新規出店はわずか「1〜2店」のなぜ
創業1964年、会社設立1972年という歴史がある同社は、埼玉県所沢市で創業以来、着実な歩みを重ねてきた。2021年7月に100店舗目となる「町田パリオ店」を開業し、22年度に店舗数100店舗の大台を突破。25年6月期(25年度)には年商が初めて100億円を超え、102億円に達した。従業員数も2000人を超える規模に成長している。
飲食チェーンの多くが急速な店舗網拡大を目指す中で、同社の成長スピードは極めて独特である。年間の新規出店はわずか「1〜2店」にとどまるのだ。
「既存店売上高が前年を超えない限り、原則として新規出店は行わない」という厳しい鉄則が存在するためだ。無理筋な店舗経営を排し、既存店舗の満足度向上と経営基盤の強化を最優先する姿勢が徹底されているといえる。
立地戦略においては、工場で製造した出来たての商品を毎朝各店舗へ届けるため、工場から90分以内という条件を重視し、埼玉県内や東京都の多摩地区、東京23区の西部をはじめとする郊外の駅前や生活路線沿いを中心に展開してきた。こうした立地も、高品質な食材をリーズナブルな価格で提供する「3割うまい!!」の原則を支えている。
同社のもう1つの大きな特徴として、店舗売上に占める「冷凍餃子とテイクアウトの比率」の高さが挙げられる。
一般的な飲食店においてテイクアウトの比率は1〜2割程度であることが多いが、同社では店舗売上の約35%が冷凍餃子や各種惣菜、自家製麺などの物販で占められているのだ。調理済みのテイクアウト商品を合わせると、実に全売上の45〜50%に達するという。これは飲食店としては異例の高い物販比率である。

